第17回日本金属サイディング工業会施工例フォトコンテスト

Contestフォトコンテスト

第17回
日本金属サイディング工業会
施工例フォトコンテスト

第17回金属サイディング施工例フォトコンテストを一般社団法人日本鉄鋼連盟の後援を得て、昨年7月1日～10月31日までを応募期間として実施し、審査を行いましたのでその結果を次の通り発表いたします。

今回のコンテストでは工業会加盟８社が全国の設計事務所・工務店・金物店・板金店様等のご協力を得て計2,382作品（昨年比7％減）のご応募をいただきました。

対象作品は、新築及びリフォームの建物で外装に金属サイディングを使用したものの中から、新築では建物の意匠性・高級感・コーディネート感覚など、トタールでバランスのとれた作品、リフォームでは施工前と比べ施工後に優れたイメージアップが見られる作品を選出させていただきました。

その結果、最優秀賞2作品（新築・リフォーム各1作品）、優秀賞8作品（新築・リフォーム各4作品）、入選賞48作品（新築28作品・リフォーム20作品）を選出いたしました。

なお、前年に引き続き今回も東日本大震災及び熊本地震の両被災地に対して総額238,200円（応募作品件数に応じた額）を日本赤十字社を通じ寄付いたしました。

審査員

特別審査委員: 江口惠津子株式会社ヴェルディッシモ代表取締役, 一般社団法人日本フリーランスインテリアコーディネーター協会会長
特別審査委員: 杉田宣生一級建築士事務所 HARUハル建築研究所
当会審査委員: 理事・幹事・技術委員・事務局

最優秀賞：新築部門

株式会社ルポハウス滋賀県 / 彦根市川瀬町F様邸詳しくみる

新築部門: 最優秀賞
地区: 滋賀県
応募社名: 株式会社ルポハウス
施主: 彦根市川瀬町F様邸

ゆとりのある広さの新興分譲地内で計画した個人住宅です。
シンメトリックな外観を特徴とし、それを引き立たせるよう外構計画も控えめにしています。エネルギーロスの観点から北サファードは窓をほぼ拝し、ガルバリウムのすっきりとした表情を主役に、天然木のルーバーで穏やかさを添えました。
寡黙なファサードと相反して、内部は大きな吹抜けからやわらかに光が注ぐ空間が広がります。内部とのコントラストを生む上で、金属サイディングのもつ硬質で堅実な素材感は不可欠な要素です。

株式会社ルポハウス田中彬博様（代表取締役）

最優秀賞「新築部門」の選定について

江口惠津子さん特別審査員のコメント

シンメトリーの存在感ある住宅です。
サイディングの縦ラインが実に美しく、継ぎ目がわかりません。製品のもつ良さが十分に表現されてます。（多分）奥まった中央部分に、横ラインのモクを置いたところが秀逸ですね。異素材の組み合わせによって、より双方の魅力が引き出されました。日中の光の変化も面白いですが、ライティングされた夜の表情も見てみたいものです。
住宅という事で少し驚きましたが、窓などはサイドに設置されているのでしょうか？その、配置のデザインも拝見したい。
とても謎めいた作品ですね。将来、正面の植栽が育ち緑が前面に生い茂った時、安定感のある、街に溶け込む住宅になることでしょう。
金属サイディングが光やグリーンや木で表情を変える、七変化を見せてくれる奥の深い作品と思い、最優秀賞に選ばせて頂きました。

杉田宣生さん特別審査員のコメント

ともかく、第一印象が「きれい！」でした。
とてもシンプルな箱型の住宅ですが、どのようなプランなのか、他の三面がどのようなファサードなのか、どの面にどのように窓を設けているのか、この写真だけでは全く想像がつきませんね。若しかすると、他の面を見たら、全く異なった印象の住宅かもしれません。でも、それも施工例フォトコンテストの面白さかと思います。
シンメトリーなファサードの中央に木の格子を用いて落ち着きを持たせ、外壁の金属サイディングがたいへんきれいです。このようなシンプルなデザインで仕上げることができて、とてもうらやましいですね。
ほかにも力作が多くありましたが、「きれい！」の第一印象から、この作品を最優秀に推薦させていただきました。

最優秀賞：リフォーム部門

株式会社結設計工房山形県 / S様邸詳しくみる

施工前

施工後

リフォーム部門: 最優秀賞
地区: 山形県
応募社名: 株式会社結設計工房
施主: S様邸

築30年弱の縫製工場を陶芸アトリエ兼住宅にリノベーションしました。凍害で傷んだ外壁の改修に凍害の心配がない金属サイディング（ガルバスパン）を採用しています。
金属と木の異質材を組み合わせることで、それぞれの素材が持つ良さを引き立て、格子戸を用いて内外を緩やかにつなぐ計画としてます。
お施主様が心地良く生活でき、愛着が持てる建物になるよう、物件探しから設計・施工まで弊社で一貫して担当させていただきイメージ通りの建物になりました。評価していただきとても光栄です。

株式会社結設計工房結城利彦様（代表取締役）

最優秀賞「リフォーム部門」の選定について

江口惠津子さん特別審査員のコメント

洋風から和風の趣に大改造です。全体のフォルムは変化せずに素材と色と窓周りの開口部デザインだけ変えてますが、実に上手なコスパの良いリフォームであると思います。
窓の形はシンプルな縦ラインになり、内側から同系色のロールスクリーンをさげているところは見逃せない点です。外観はモクで、縦格子と正面のアクセントの三角のデザインを強調し、ベンチなど置いたり、隅々まで配慮されていることがわかります。コンセプトがしっかりしてるので、全体として、落ち着いた温かみのある和風建築に仕上がりました。
金属サイディングの使い方もとても慣れています。木製建具にもガリバリウム鋼板を使用するなどアイデアも盛りだくさん。
奇をてらわず、しかし細部まで想いのこもった素晴らしい作品であると思います。

杉田宣生さん特別審査員のコメント

店舗併用住宅でしょうか？
リフォームの前の洋風なイメージに対して、リフォーム後は和モダンのテイストを感じさせ、大きく印象の異なる建物になりました。
縦張りの金属サイディングがとてもシャープなのに、木を使用したことで木の柔らかさが落ち着きを与えているのだと思います。
シンプルで落ち着いた色合いと三角の２つの妻面が、この建物を印象深いものにしています。
でも、どうも最近のこのコンテストでは、金属と木を上手に使ったデザインに目が行ってしまうようです。
リフォーム部門でも、ほかに目を引くものが多々ありました。今後も期待したいです。